オンライン請求の義務化撤廃で共同声明/三師会の会長が合同会見
日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は10月22日、合同の記者会見を開き、2011年度に予定するレセプトオンライン請求義務化の撤廃を求める共同声明を発表した。唐澤祥人日医会長は「レセプト請求のオンライン化を義務として強引に押しつけては、医療安全や医療の質の向上に向けてITを上手に活用することにならない」と批判。義務化によって一部医療機関が廃院に追い込まれかねない状況にあるとし、地域医療崩壊につながると強い危機感を表明した。
共同声明では、医療へのITの活用は本来、医療の質の向上、医療安全に資するものであるべきと強調。国はこれらの点をかんがみることなく、レセプト請求を例外なくオンラインに限定し、医療機関などに新たな投資と負担を強いようとしていると批判した。さらに、レセプトオンライン請求の完全義務化が進めば地域の医療機関を撤退に追い込み、地域医療崩壊に拍車をかけることは明らかと断言。義務化を撤廃し、レセプトオンライン請求は医療機関などの自主性に委ねることを強く求めた。
共同声明は同日中に舛添要一厚生労働相、大村秀章厚生労働副大臣、尾辻秀久自民党参院議員会長に提出した。唐澤会長によると、舛添厚労相は声明について理解したとする一方、今後の対応については議論があるとの認識を示したという。尾辻会長からは声明に対し前向きに取り組む意向が示された。
日医の調査によると、レセプトオンライン請求の完全義務化が進めば、医科では8.6%の医療機関が廃院するしかないと回答している。(10/23MEDIFAXより)