エイズと性感染症、両予防指針を大筋了承/厚科審・感染症部会  PDF

エイズと性感染症、両予防指針を大筋了承/厚科審・感染症部会

 厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会感染症部会(部会長=渡邉治雄・国立感染症研究所長)は10月17日、厚労省が報告したエイズ、性感染症の両予防指針改正案を大筋で了承した。厚労省は、パブリックコメントなどの手続きを経て、年内にも告示する見通しだ。

 エイズ予防指針では▽「検査・相談体制の充実」の位置付け強化▽「個別施策層」に対する検査での目標設定の必要性▽地域での総合的な医療提供体制の充実▽NGOなどとの連携―を新たな重点対策とした。

 「検査・相談体制の充実」の位置付け強化では、これまで「発生の予防及びまん延の防止」の中に書き込まれていた検査・相談体制の充実を単独の章として独立させた。場所や時間帯など受検者の利便性に配慮した検査を実施し、医療機関への受診を促す。

 青少年やMSM(男性間性交渉者)、セックスワーカーなどの個別施策層への検査では、地域の実情に合わせ感染者・患者数の多い都道府県などに定量的・定性的な目標設定を求める。

 性感染症予防指針では▽コンドーム以外の予防方法の情報提供推進▽病原体検査の推進▽医療機関へのアクセス向上▽指定届出機関の指定基準作り―などを加えた。

 コンドーム以外の予防方法では、尖圭コンジローマにワクチンが有効であることや、コンドームだけでは防げない性感染症があることなどを情報提供する。病原体検査では、簡便な尿検査で病原体検査を実施できることを明記した。

 審議会では、委員からエイズ予防指針について、抗HIV薬の服薬指導の重要性を明記することや、性感染症予防指針では薬剤耐性菌の動向調査について追記が必要などの意見が出た。(10/18MEDIFAXより)

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