イレッサ訴訟、国が控訴
抗がん剤「イレッサ」の副作用死をめぐる訴訟で国は4月5日、東京高裁に控訴した。細川律夫厚生労働相は「さらに十分な法的議論を尽くすべく上級審の判断を仰ぐ必要がある」との談話を発表した。
イレッサ訴訟は東京地裁が3月23日、国とアストラゼネカ(AZ)に計1760万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。これを不服としてAZは3月30日、東京高裁に控訴。国も4月5日に争う姿勢を示した。控訴の理由として、細川厚労相は談話で「(地裁)判決は事実認定や法律判断に妥当とは言い難い問題点がある」と主張している。
厚労省は控訴によってがん患者の医療を充実させる国の方針は変わらないとして談話のほかに、4月時点で確定しているがん施策を示した。抗がん剤副作用死救済制度を4月以降、省内の検討会で検討するほか、イレッサの適応範囲について、再審査制度を活用して適切に審査しているとした。(4/6MEDIFAXより)