ただちに原発ゼロを!原発問題学習交流会を開催
保団連は、4月14日、第2回保団連原発問題学習交流会を開催し、全国から49人が参加した。これは、原発問題を学習するとともに各地の協会の報告を行うもの。京都協会の飯田哲夫理事の司会により、保団連公害環境対策部会・高橋健作担当理事が開会あいさつ、野本哲夫部長が基調報告を行った。
交流会では、まず京都大学原子炉実験所助教の今中哲二氏が、「低線量放射線被曝―チェルノブイリから福島へ」と題して講演。東京電力福島第一原発の事故の経緯、その後の対策の問題点、チェルノブイリ事故との比較を整理し、被曝してしまった人々の晩発的影響が問題になってくることを指摘した。
今中哲二氏
低線量被曝については、「分かっていること」と「分かっていないこと」を整理し、広島・長崎被爆生存者データ、医療被曝データなど今までの被曝とがんに関する疫学データを活用しなければならないと訴えた。
そして、子どもたちを守るために、(1)子どもたちの登録制度を作り、全員の被曝量を見積もる、(2)定期的に健康診断を行う、(3)近隣の汚染の少ない地域ともども、子どもたちの健康状態を追跡調査するシステムを確立する、(4)被曝量にこだわらず、原発事故に関連する健康被害のケアを法律で制度化することが必要であり、とにかく原発を廃止する必要があることを訴えた。
次に、福島県浪江町国保仮設津島診療所所長の関根俊二氏が、「大震災における災害医療の問題点」とした特別報告を行った。震災直後の診療所の対応や経過を説明するとともに、服薬情報の携帯の大切さ、人工透析・在宅酸素療法患者・重症入院患者などの受け入れ病院、または施設の立案計画および避難方法の検討がなかった点、避難道路の整備がなかった点などを今後の課題とした。
各協会の取り組みの報告の後、「原発の再稼働、新増設を禁止し、ただちに原発ゼロを求める」決議を全員一致で採択した。
また、交流会終了後、有志により原発問題を多くの人に知ってもらおうと、新宿駅前で行き交う人々に訴える街頭宣伝を行った。