さらなる国民負担が必要/財務省・太田主計官

さらなる国民負担が必要/財務省・太田主計官

 財務省主計局の太田充主計官は10月9日、医療経済フォーラム・ジャパンの公開シンポジウムで講演し、社会保障費の給付と負担の在り方について「基本的にわが国は国民主権、民主主義国家である以上、国民の受けるサービスは自分たちで負担すべき」と強調した。さらに「個々の人が子どもや孫にツケを回さないのと同じように、国民全体としてもそうしなければならない」と述べ、将来に負担を先送りしないため、さらなる国民負担が必要との見方を示した。

 社会保障費2200億円圧縮問題については「社会保障関係者から、やり過ぎだとの指摘があるが、あくまで自然増から2200億円を抑制するものだ」と強調。「はっきり言えば、ものすごい借金をしている中で負担以上の給付をしている」と反論した。

 さらに「国民が医療と介護をきちんと守るというのであれば、ちゃんとみんなで負担しようではないかということになる。財務省は国民の指示に従って動く組織なので、国民がそういう声を上げない限りやりようがない」と訴えた。

 社会保障予算を拡充するために、それ以外の一般歳出を削減するよう求める勢力が存在するとも指摘し、「2008年度の社会保障以外の『その他の一般歳出』(25兆5000億円) は、国債発行による歳入(25兆3000億円) とほぼ同額。つまり、その他の一般歳出を切り、社会保障に回すということは、それだけ借金を将来に残すことになるだけ」と切り捨てた。(10/10MEDIFAXより)

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