がん診療や慢性期医療で医療連携促進へ/中医協総会
厚生労働省は12月2日の中医協総会に、2012年度診療報酬改定でがん診療や慢性期医療分野などで医療連携を進める案を示した。医療現場の実態を踏まえ、がん診療連携拠点病院と医療機関の連携に対する評価の拡充や、急性期後の患者の褥瘡治療に対する評価の見直しなどを提案。厚労省の示した方向性に対し、委員から大きな異論は上がらなかった。
現行の仕組みでは、がん診療連携拠点病院が医療機関からの紹介で診断の確定した患者を入院で受け入れ、手術を行った場合を「がん診療連携拠点病院加算」で評価している。厚労省は同加算について、がんの疑いがあるが未診断の紹介患者や、外来で化学療法や放射線療法を受ける紹介患者も対象に加えることを提案。さらに、拠点病院が患者個別の治療計画を作成して退院後の治療を担う医療機関に紹介した場合を評価する「がん治療連携計画策定料」についても対象を拡大する案を提示した。同策定料は拠点病院が患者の退院後すぐに医療機関へ紹介した場合を評価しているが、「手術した後、1回も外来でフォローせずに帰すのは難しい」との現場の声を踏まえ、外来でフォローアップや化学療法を行った後の紹介についても一定の要件下で対象とする案を示した。
万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は「考え方の基本として、手術した患者が外来に1回来るのは当然」と強調し、現場の実態を踏まえた評価を求めた。(12/5MEDIFAXより)