かかりつけ医がいる人、健康への意識も高い/日医総研が調査
40歳以上の男女の約65%がかかりつけ医を持ち、かかりつけ医のいない人に比べて日常から健康への意識が高い傾向にあることが、日医総研のかかりつけ医に関する意識調査で分かった。
調査は国民のかかりつけ医へのかかり方やそのニーズなどを把握するため、無作為に選んだ40歳以上の男女4000人を対象に実施した。病気や健康状態についての相談や診療もしてくれる身近なかかりつけ医の有無やその人数、かかりつけ医への要望などを調べた。回収率は約5割で、2080人から回答があった。
かかりつけ医の有無に関する調査では、全体の65.1%が「かかりつけ医がいる」と答え、年齢が高齢になるほど割合も高くなった。「かかりつけ医はいないが、いるとよいと思う」は30.4%、「いない、いなくてもよい」は4.5%だった。
かかりつけ医の人数は全体の7割が1人だった。2人は22.0%、3人以上は7.5%だった。1人と回答した人が通う医療機関は82.7%が診療所、12.5%が中小病院、4.8%が大病院で、高齢になるほど中小病院、大病院に向かう割合が高かった。かかりつけ医の診療科は全体の約9割が「内科」で、かかりつけ医が2人以上の人は「内科と整形外科」「内科と眼科」という傾向が強かった。
かかりつけ医がいる人は日常の健康への意識が高いことも分かった。かかりつけ医がいると答えた人の約6−7割が、栄養バランスの取れた食生活のほか意識的に休息や睡眠をとること、規則正しい生活などに日ごろから心掛けており、かかりつけ医がいない人よりそれぞれ7−10ポイント上回った。
●選ぶ情報は「診療方針や医療への考え方」
かかりつけ医を探す際に必要な情報については、「医師の診療方針や医療への考え方」が81.2%、「連携している医療機関や介護施設」が79.0%、「対応できる治療や検査、患者数」が78.5%、「医師の得意分野、経歴、顔写真」が72.0%の順で高かった。
日医総研はこれらの結果を踏まえ、「さまざまな形での情報提供にもかかわらず、国民から『選ぶための情報がない』との意見も多く、提供側と受療側のギャップが大きい。地域の医師会が中心となって情報提供を行う取り組みを広げるべき」と提言した。(10/17MEDIFAXより)