【TPP】TPP交渉参加、政府の責任で判断/安倍首相が施政方針演説
安倍晋三首相は2月28日、衆参本会議で施政方針演説を行い、環太平洋連携協定(TPP)について「政府の責任において交渉参加について判断する」と述べた。安倍首相は先日の訪米で「聖域なき関税撤廃は前提ではないことを確認した」と説明。「地域レベルや2国間レベルでも、日本はルールを『待つ』のではなく『創る』国でありたいと考える」と述べ、国益にかなう経済連携を戦略的に進める考えを表明した。
●皆保険が育んだ医療、世界に展開
海外の成長を取り込むための「わが国の魅力ある商品」に「技術」を挙げ、iPS細胞を活用した再生医療・創薬など最先端医療技術で健康長寿社会の実現を宣言。「世界に誇る国民皆保険制度が育んだ医療技術とサービスにさらに磨きをかけ、国際的な医療協力なども通じて世界に積極的に展開していく」と語った。
安定財源を確保し、受益と負担の均衡が取れた社会保障制度を構築する必要性も強調した。「自助・自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかり援助する」と述べた上で、改革の具体化に向けて自民、公明、民主の3党協議と社会保障制度改革国民会議の議論を見守る考えを示した。
麻生太郎財務相は財政演説で社会保障関係費に触れ、生活扶助基準・医療扶助の適正化を進めるほか、難病・がん対策の充実と強化、医療関連分野のイノベーション推進に取り組むことを表明。文教・科学振興費では研究支援人材の確保と安定的雇用の実現、研究資金の改革などに取り組むと説明した。
甘利明経済再生(一体改革)担当相は経済演説で「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」のいわゆる「3本の矢」を実行して景気回復とイノベーションの創出を実現すると説明。経済財政諮問会議で「骨太方針」を取りまとめるために検討を進めることや、国民会議で精力的に議論することを強調した。
●13年度予算案を国会に提出/政府
政府は28日の臨時閣議で2013年度予算案を決定し、国会に提出した。一般会計の総額は92兆6115億円で、このうち国債費を除いた政策的な経費は70兆3700億円。(3/1MEDIFAXより)