【TPP】TPPで基本方針、「皆保険を守る」/自民調査会、公約踏襲
自民党の外交・経済連携調査会(衛藤征士郎会長)は2月13日、環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題に対する調査会としての基本方針をまとめた。「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対」「国民皆保険制度を守る」など、2012年の衆院選の政権公約で掲げた6つの方針をあらためて確認した内容になった。
基本方針は2月の安倍晋三首相の訪米前に、TPP交渉参加に対する党の「指針」をまとめるのが狙い。主に▽政府が交渉参加を判断する際は公約の内容を踏まえる▽政府は不断に十分な情報公開を行う−の2点を確認した。公約にも盛り込まれている「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対」という文言はこれまで表現の曖昧さが指摘されてきたが、今回も同様の言葉が入ったことについて推進派、慎重派の両方から拍手が起きた。
衛藤会長は会合後、記者団に「野党時代にまとめた公約が与党になった後も守られることを再確認した」と意義を強調。基本方針は総務会などの手続きを経ないが、「今回の党内手続きは慎重にできた」とも述べ、党として意思統一が図られたとの認識を示した。記者からの「安倍首相は訪米で基本方針を守るよう主張するのか」との問いに対して、衛藤会長は「予見は持てないが、尊重されるものと確信している」と答えた。
●医療に影響は「誤解」と推進派
TPPへの早期の交渉参加を求める自民党議員でつくる勉強会「環太平洋経済連携に関する研究会」は朝、政権交代後初となる会合を開いた。
会合は約30人が出席。慶応大総合政策学部の渡邊頼純教授がTPP交渉参加の必要性について講演した。TPP参加が日本の公的医療制度を崩壊させるとの懸念があることについて渡邊教授は、米通商代表部のカトラー代表補が医療保険制度の民営化や混合診療解禁を要求しないと発言していることを挙げ、「カトラー氏は明確に発言している。(指摘は)問題の本質ではない」と説明した。
会合後、共同代表の中村博彦参院議員は「党内は反対派の意見が多いが、賛成側の考えが表に出てくることがない。それを示すことで各議員の判断材料にしてもらいたい」と勉強会の意義を強調。同代表の川口順子参院議員も「医療などは誤解で話が進んでいるので、一つ一つ議論していきたい」と述べた。(2/14MEDIFAXより)