【TPP】TPP、多数国が支持/保険、医薬品も議論
政府は3月22日、交渉参加を検討している環太平洋連携協定(TPP)について、既存の参加9カ国による最新の交渉状況を公表した。全品目で7年以内に関税を撤廃するという考えを支持する国が多数あると指摘。保険分野の参入拡大や薬価決定の透明化も議論されていることを明らかにした。
9カ国との事前協議で得た情報を21の交渉分野ごとにまとめ、民主党の経済連携プロジェクトチーム総会で報告した。
関税撤廃の例外は原則として認めない国が多いとする一方、現時点では合意に至っていないと説明。日本にとってのコメのような重要品目の扱いは「交渉全体のパッケージの中で決まる」との見方を示した。
保険や急送便の分野では、民間企業との対等な競争条件確保が議論されていると指摘した。米国は国有企業の優遇解消を提案している。日本が交渉入りした場合は、米国が問題視する日本郵政グループの扱いが焦点となる可能性がある。
医薬品や医療機器の価格決定手続きに申請メーカーを参加させる提案や、新薬の特許保護強化も話し合われていることが明らかになった。
規制などによって損失を受けた投資家が相手国を訴える紛争解決手続きも議論されている。この手続きの導入に反対している国もあり、投資家による乱用を防ぐ規定が検討されているとした。
一方、国民の懸念が強い公的医療保険制度や遺伝子組み換え食品、単純労働者の受け入れについては議論されていないと説明した。
交渉の進み具合に関しては、関税分野で「本格的な議論には至っていない」と言及されたのをはじめ、全体的に遅れが目立っている。(3/23MEDIFAXより)