【TPP】政府は「皆保険堅持」で声明を/国民医療推進協、TPP反対決議
日本医師会など医療関連40団体でつくる国民医療推進協議会は4月18日、東京・本駒込の日医会館で、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に反対する総決起大会を開いた。医療関係者や国会議員ら約800人が参加し「国民皆保険の恒久的堅持を誓い、崩壊へと導くTPP交渉参加に断固反対する」との決議を採択した。
横倉義武会長(日医会長)は挨拶で国民皆保険の重要性を強調し、TPP交渉の範囲が医療分野に及べば医療の市場化につながると懸念を示した。「公的医療保険の給付範囲の縮小を招き、所得によって受けられる医療に格差が生じる」とも指摘。政府に対してTPP交渉から公的医療保険を除外するよう求めてきたが、統一見解として明言がないと説明した。横倉会長は米国の要求も高まっているとし「TPP交渉参加自体に対して問題提起することが国民医療を守ることにつながるとの結論に至った」と述べた。野田佳彦首相が月末に訪米する際に交渉参加を表明する可能性もあるとして危機感を示した。
大会開催に協力した東京都医師会の野中博会長は「新自由主義や市場原理主義は格差の少ない社会を実現してきただろうか。TPPを信じることはできない。参加により皆保険制度が崩壊しては、いかなる国益もない」と訴えた。
民主党の山田正彦衆院議員(TPPを慎重に考える議員の会会長)は混合診療の全面解禁と薬価決定への干渉などを懸念し、「日本が誇るべき皆保険制度がどうなっていくのか本当に危惧している」と述べた。4月24日に超党派の議員集会を開催することも明らかにした。自民党の衛藤晟一元厚生労働副大臣、公明党の石田祝稔元厚労副大臣、社民党の阿部知子衆院議員、民主党の福田衣里子衆院議員も挨拶した。(4/19MEDIFAXより)