【ICT】超高齢社会、ICTで23兆円の経済効果/総務省会議が提言  PDF

【ICT】超高齢社会、ICTで23兆円の経済効果/総務省会議が提言

 総務省の「ICT超高齢社会構想会議」(座長=小宮山宏・三菱総合研究所理事長)はこのほど、医療・介護情報を患者や医療従事者が共有できる医療情報連携基盤の全国展開など、超高齢社会でICT(情報通信技術)を最大限に活用した施策の方向性を盛り込んだ基本提言を発表した。提言では3つのビジョンを掲げており、新システムやサービスの創出で2020年に最大23兆円の経済効果が生まれるとしている。

 ビジョンの1つ目は「健康寿命の延伸と、病気になっても質の高い医療・介護サービスを享受し、住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現」。医療費増大や医師不足といった課題がある中、関係者が円滑に連携できるICTの積極的な活用が必須だとして「医療情報連携基盤の全国展開」を盛り込んだ。関係者で情報共有することによって重複検査の回避や疾病管理による重度化防止を期待している。これまで2次医療圏レベルで構築されてきた基盤を都道府県レベルなどでも展開できるように、技術的な課題や運用ルールを検討する。

 また、ICTを活用した健康増進プロジェクトで医療費が削減された例もあるとして、健診データなどを活用した生活習慣病などの予防モデルの構築を目指す。構築に当たっては、自治体や企業が主体となった大規模な社会実証を行う。健康ポイントなどインセンティブの在り方についても検討する。

 2つ目のビジョンでは、元気な高齢者が社会参加できる社会を掲げ、買い物支援ロボットや介護現場で使える見守りロボットの実用化を進める必要性を盛り込んだ。

 3つ目として「新産業創出とグローバル展開」を挙げた。世界に先駆けて超高齢社会に突入した国として、日本式のICTシステムやサービスを標準化し、海外にパッケージ輸出する方向性も示した。

 同会議は12年12月から、超高齢社会に対応するICTの在り方を検討してきており、5月にも報告書をまとめる予定。総務省情報流通行政局情報流通高度化推進室は、各施策のスケジュールについては検討中だが、ロードマップを報告書に盛り込みたいとしている。(4/24MEDIFAXより)

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