【ICT】病院間で電子カルテ共有、防災対応で予算要求/文科省
津波など大きな災害から病院の電子カルテなどの医療情報を守るため、文部科学省は全国42の国立大付属病院がデータを持ち合う仕組みの整備費用として、2013年度予算に23億円を要求している。災害で患者の病歴や薬の服用歴の入った医療情報が消失しても、複数の病院でデータを共有することで病院が機能停止になるのを防ぐ狙い。
文科省高等教育局医学教育課大学病院支援室によると、実際に宮城県の石巻市立病院では東日本大震災による津波で電子カルテなどの医療情報が流されたが、山形市の市立病院済生館でデータを共有していたため情報の消失を免れたという。
また、12年6月の国立大学付属病院長会議総会で、災害時における病院情報システムの連携が議題となり、医療情報のバックアップを病院間で共有することで意見が一致した。これを受け、文科省は整備費用を13年度予算概算要求に計上した。
文科省は42病院を6つのグループに分け、グループ内の病院でデータを共有することを検討している。病院間をオンラインで結びバックアップデータを自動で更新する。予算が認められれば、13年度中にシステムを稼働させる予定だ。(10/24MEDIFAXより)