【高齢者医療】野田首相、後期高齢者廃止法案の提出断念も/参院
野田佳彦首相は7月18日、社会保障と税の一体改革関連法案が今国会で成立した場合、後期高齢者医療制度廃止法案の今国会提出を断念する考えを明らかにした。参院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、今国会に廃止法案を提出する閣議決定について、一体改革関連法案が成立すれば「効力は消える」と述べた。自民党の宮沢洋一氏への答弁。
野田首相が質疑で高齢者医療制度見直しについて「(社会保障制度改革推進法案に規定した)社会保障制度改革国民会議で議論する可能性は十分ある」との見通しを示したのを受け、宮沢氏は「国民会議で議論する可能性を前提にするならば、廃止法案の提出は事実上無理ではないか」と質問。これに対し、野田首相は「推進法案を含めた8法案が成立すれば、その後、国民会議が速やかにつくられる。その中で議論されるのが基本線。一方、今国会中に後期高齢者廃止法案を提出することは閣議決定として残っている」と答えた上で「(国民会議の設置を規定している一体改革関連)法案が通れば、閣議決定の効力が消える」と述べた。宮沢氏が「閣議決定が消えるということは、ある意味で(法案提出を)断念するということだ」と応じたが、野田首相は反論しなかった。
民主党内では国民会議を設置する前の法案提出を模索する動きがあったが、野田首相の発言は廃止方針は維持するものの、設置前の法案提出を断念する姿勢を示したことになる。(7/19MEDIFAXより)