【高齢者ケア】胃瘻選択の意思決定で指針/老年医学会
日本老年医学会(大内尉義理事長)は6月27日、「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン(GL)」の内容を公表した。近く同学会ホームページに掲載する予定。同GLは、胃瘻など人工的水分・栄養補給法(AHN)を導入するかどうか選択する場面などで、現場の医療・介護・福祉従事者が適切な意思決定プロセスをたどることを支援する目的で作成した。
内容は大きく分けて?医療・介護における意思決定プロセス?いのちについてどう考えるか?AHN導入に関する意思決定プロセスにおける留意点―の3項目で構成。医学的な妥当性よりは倫理的妥当性を重視したという。
GLに沿って関係者が意思決定プロセスを進め、AHNについて選択することに対して司法が介入することは実際上はあり得ないとし「あるとすれば極めて不適切である」と主張。この主張に賛同する弁護士や元最高裁判事ら法律家の実名リストもGLに掲載した。
会見した大内理事長は「現場でこのGLを使ってもらい、ご意見を頂くという検証作業が必要と考えている」と述べ、現場の意見を踏まえて改訂していく方針を強調した。(6/28MEDIFAXより)