【震災】被災者の減免措置、10月から自治体2割負担/政府が事務連絡  PDF

【震災】被災者の減免措置、10月から自治体2割負担/政府が事務連絡

 厚生労働省保険局国民健康保険課、高齢者医療課、総務省自治税務局市町村税課の3課は7月24日付で、10月以降も東日本大震災被災者の医療費一部負担金と保険料の免除措置を継続する場合の財政支援について都道府県宛てに事務連絡を出した。福島県の避難指示対象地域を除く被災地の国保と後期高齢者医療制度が対象。震災対応の救済ルールから、通常の災害時の救済ルールに切り替える。

 10月以降も保険者の判断により、一定の条件下で被災者の自己負担免除措置を継続できるが、その財源の負担割合が変わる。震災対応の救済ルールでは、財源に特別調整交付金を充て、国が10割負担してきた。だが10月以降の財政負担比率は、避難指示対象地域を除き国8割、自治体2割に変わる。

 また厚労省保険局保険課など3課は7月24日、地方厚生局や都道府県、全国健康保険協会、健康保険組合宛てに、一部負担金等免除証明書の取り扱いについても事務連絡した。現在は有効期限が切れている免除証明書でも有効だが、10月1日以降は期限切れの証明書を無効扱いにする。

●保団連が国10割負担の継続を要請
 政府が7月24日に事務連絡を出したことを受け、全国保険医団体連合会は7月27日、10月以降も国が10割の財政支援を続けるよう求める要望書を、野田佳彦首相、小宮山洋子厚生労働相、小林剛・全国健康保険協会理事長宛てに提出した。

 10月1日以降、自治体にも2割の財政負担が生じることを受けて保団連は「被災の大きな自治体ほど免除費用負担が大きくなり、免除を打ち切る自治体が出る危険性がある」と指摘。10月以降も被災者の自己負担免除措置を継続し、国が10割の財政負担を続けるよう要望した。

 また期限切れ免除証明書の取り扱いについても「免除証明は自治体に任されているため、自治体によって取り扱いが異なると医療現場で混乱が生じる」とし、10月以降もそのまま免除するよう求めた。(7/30MEDIFAXより)

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