【難病】難病対策改革の提言了承、対象疾患の選定が焦点に/厚科審部会
厚生労働省の厚生科学審議会・疾病対策部会(会長=金澤一郎・国際医療福祉大大学院長)は1月31日、同部会の難病対策委員会が25日にまとめた難病対策改革の提言を了承した。2013年度政府予算案では厚労省、財務省、総務省の3大臣の合意によって、12年度予算より90億円増の549億円を難病対策に充てることになった。同委員会長も務める金澤会長は「今日は出発のための会合。ぜひ具体的なご意見をいただきたい」と述べた。▽医療費助成の具体的な疾患や認定基準▽医療費助成の患者負担割合や月額負担上限額▽難病指定医や指定難病医療機関(ともに仮称)の指定業務―などについて具体的に審議を進める。
対象疾患の選定と給付水準が今後の焦点となる。対象疾患については「今後の難病対策のあり方に関する研究班」の中間報告を受けて、▽希少性▽原因不明▽治療法未確立▽長期療養を必要とするような生活への支障▽一定の診断基準かもしくはそれに準ずるものがある―を要件として「第三者的な委員会」が選定し、その後も定期的な見直しをしていく。
給付水準については現行では、対象疾患には一律に入院時の食事療養・生活療養を含めて医療費を助成し、重症認定を受けると窓口負担がゼロになる。新たな対策では、高齢者や障害者を対象とした他制度の給付との均衡を図る。医療費助成の対象となる患者は全て一定以上の症状などを有することになるため、重症認定特例は廃止される。所得に応じて全員に一定の負担をしてもらう。食事・生活療養費は自己負担とし、薬局での保険調剤料は自己負担月額に含める。
●難病は「人類の必然」、患者・家族に支援を
了承した提言では、国民の誰にでも発症する可能性があり、難病は生物としての多様性を持つ人類にとっての必然であり、患者や家族への支援が求められる、との理念を示し、就労支援や難病に関する普及啓発も大きな柱に位置付けた。小児慢性特定疾患からの切れ目ないサポートの検討の必要性も盛り込んだ。矢島鉄也健康局長は最後に「誰しもがなり得る病気であることを丁寧に説明し、理解してもらえるようにしたい」と述べた。(2/1MEDIFAXより)