【難病】新・難病拠点病院を指定へ/厚科審・委員会、法制化へ改革最終案  PDF

【難病】新・難病拠点病院を指定へ/厚科審・委員会、法制化へ改革最終案

 厚生労働省の厚生科学審議会・疾病対策部会難病対策委員会(委員長=金澤一郎・国際医療福祉大大学院長)は1月25日、難病対策改革についての提言の最終案を取りまとめた。特定機能病院を想定した高度な専門性を有する「新・難病医療拠点病院(総合型)」と神経難病など特定分野の疾病に特化した「新・難病医療拠点病院(領域型)」(いずれも仮称)を都道府県が指定し、医療体制を整える。委員長一任で加筆・修正し、1月31日の疾病対策部会に報告し、早期の法制化を目指す。

●「難病医療コーディネーター」を配置
 拠点病院はそれぞれ、総合型は原則3次医療圏に1カ所以上、領域型は都道府県が適切数指定する。さらに、現在の難病医療協力病院は「難病医療地域基幹病院(仮称)」とし、2次医療圏ごとに1カ所程度指定する。各拠点病院に「難病医療コーディネーター(仮称)」を配置し、地域や医療機関、保健所、難病相談・支援センターと連携し、広域的に医療資源の調整や専門的な助言などを担う。

●「難病指定医」がデータを登録
 難病対策の改革は▽治療方法の開発や治療方針のばらつきを解消するなどの医療の質向上▽対象疾患の公平・安定的な医療費助成の仕組み構築▽国民への普及啓発と就労支援など社会参加のための施策の充実―を柱としている。提言では、質の高い研究のために難病患者データの精度を向上させるため、現行で都道府県を経由していたデータ登録は都道府県が指定した「難病指定医(仮称)」が「新・臨床調査個人票(仮称)」交付の際に同時に行うとした。事務負担などの影響で地域によって入力データ数にばらつきがあるのを解消するのが狙い。

 対象疾患については、研究班が482疾患を対象に「希少で、原因が不明であり効果的な治療方法が未確立、かつ長期にわたり生活面へ支障をきたす」もので、「一定の診断基準や診断基準に準ずるものが確立されているか」を基準に選定作業に入っている。(1/28MEDIFAXより)

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