【難病】対象疾患拡大は歓迎も負担増は見直しを/難病患者団体が集会  PDF

【難病】対象疾患拡大は歓迎も負担増は見直しを/難病患者団体が集会

 日本難病・疾病団体協議会(JPA)など難病・小児慢性特定疾患の患者団体は12月1日、参院議員会館で緊急院内集会を開き、近く取りまとめが予定されている厚生労働省の委員会報告書で、さらに、要望が盛り込まれるようアピールした。集会には厚労省の課長や与野党の議員も参加。各患者団体からは法制化と対象疾患の増加を歓迎する声があった一方、患者負担案の見直しと支援体制強化を望む声も上がった。

 難病と小児慢性特定疾患対策は社会保障制度改革プログラム法案で2014年度の通常国会に法案提出することが義務付けられており、12月中の報告書取りまとめに向け、厚労省の各委員会で議論が大詰めを迎えている。

 同集会では▽難病・小慢対策の義務的経費化の実現と大幅な予算を確保する▽患者負担を厚労省素案から大幅に軽減する▽治療中の患者が助成対象から外れないようにする▽小慢児が成人期以降の支援策へ移行する際の問題を引き続き検討する―などの要望を採択。田村憲久厚生労働相への要望書として、健康局疾病対策課の田原克志課長に手渡した。田原課長は「患者負担が大きいという指摘があり、見直しを進めている。要望をしっかりと受け止めて、与党からの申し入れなどを受けながら、年内にまとめたい」と述べた。

●難病対策を政争の具にしない/民主・山井氏
 集会には参院で厚生労働委員会が開かれている最中にもかかわらず、多くの与野党議員が顔を出した。自民党の石田昌宏参院議員は「自己負担の問題は重要だが、社会参加・就労できる仕組みの工夫も必要。日本のプライドとして研究・制度で難病患者に貢献すべきだ」と述べた。超党派難病対策議連の事務局長を務める公明党の江田康幸衆院議員は、実態に即した患者負担を検討し公明党として近く厚労省に申し入れすることを明かした。

 プログラム法案の審議で難病対策について激しく批判していた民主党の山井和則衆院議員は「今回の話がややこしいのは、一部患者の自己負担アップがセットになっていること」と民主党のスタンスを説明。「自己負担はやむを得ないというムードを当事者に感じさせることはあり得ない。せっかく法制化して対象疾患が増加するのに、仲間同士で分断するようなことはやめるべきだ」と素案を批判した。一方で「政争の具にして患者のご迷惑になるようなことはしたくない。与党とも協力したい」と、話し合う姿勢も見せている。(12/2MEDIFAXより)

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