【金融庁】現物給付は将来課題も、直接支払いは可能/金融庁WGが報告書
金融庁は6月7日の「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」で、前回会合の議論を受けて修正した報告書案を提示し、了承された。医療関係では▽生命保険契約等での現物給付の解禁は将来の検討課題▽直接支払いサービスを顧客に提供することは可能である旨を明確化し、顧客サービスの充実を図る▽不妊治療に係る保険はモラルリスクなどの問題に対応すれば社会的意義がある―などを盛り込んだ。報告書は金融審議会に提出する予定。
報告書では、現物給付について「保険会社が将来時点で提供する財・サービスの質等についてどのように担保するか」「保険会社が財務の健全性を確保する観点から、財・サービスの価格変動リスクにどのように対処するか」などの課題が指摘されているとし、解禁は将来の検討課題となった。
一方、直接支払いサービスについては、保険会社は保険金額の範囲内で提携事業者に支払いをすればよく、価格変動リスクを負わないことなどから現物給付を認めた場合の懸念の大部分を回避することができると記載した。ただし提携事業者の提供する財・サービスの内容などの情報提供や、適切な提携事業者を提示するための体制整備を義務付けることが適当としている。
委員からは「直接支払いサービスは現物給付に向けた一歩であって、保険会社が提携事業者との連携を深めることで、サービスの質の向上や顧客との情報の非対称性を解消できる」との声が上がった。
金融庁保険企画室の担当者は会合後、「直接支払いサービスは報告書に沿って監督指針を作れば時間をかけずにできる。保険会社の要望・スケジュール次第」と話した。(6/10MEDIFAXより)