【遺体解剖】遺体を使った手術教育や研究でGL/外科学会・解剖学会
日本外科学会と日本解剖学会は共同で「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン(GL)」を策定した。両学会が6月20日、GLの内容を説明した。GLでは、死体解剖保存法や献体法の現行法下で、遺体を使った外科手術手技の教育・研究を適切に実施するために、遺体による手術手技研修の実施目的と必要性を明確化。その上で実施に必要な条件を定めた。
背景として、外科手術の医療安全を保つため、外科手術手技の高度化に伴ってトレーニングの必要性が指摘されており、外科からは遺体を用いた細かいトレーニングを実施したいというニーズがあった。しかし現行法下では、医学教育を目的とした解剖実習以外の研修などに遺体を利用することに明確な指針がなく、死体解剖保存法の「解剖」の枠内に当たるかどうか基準があいまいだった。
GLでは、遺体による手術手技研修に当たっては▽医療安全の向上や国民福祉への貢献を目的とする▽医科大学などで死体解剖保存法、献体法の範ちゅうで実施する▽献体登録者の書面による意思表示があり、家族からの理解と承諾を得る▽大学の倫理委員会で実施内容を十分に検討し承認を得ている―ことを実施の条件とするとしている。(6/21MEDIFAXより)