【透過GL】透析の「中止」含むGL、13年6月に最終案/透析医学会
日本透析医学会は、透析導入が困難な患者への「非導入」や透析治療の継続が困難な患者への「中止」を含めた対処方針をまとめる「慢性血液透析療法ガイドライン(GL、仮称)」の最終案を、2013年6月の学術集会で発表する考えだ。秋澤忠男理事長が質問に7月1日付の文書で回答した。
透析医学会は2009年に腹膜透析GLを作成した。末期腎不全患者の9割以上が受けている血液透析療法については、初のGLを作成する方針を約2年前に固めたものの現在も議論を続けている。慎重に検討を進めている理由について秋澤理事長は、血液透析は多くの分野が関係し方法も多岐にわたることや、医療経済も大きく左右する可能性があるためとした。
GLは▽透析導入▽透析処方▽透析非導入・中止―の各提言による3部構成とする方針で、秋澤理事長はこのうち「慢性透析療法の非導入と継続中止に関する提言」案が倫理的課題の解決を含めて最も苦労していると答えた。
6月に札幌市で開かれた学術集会で、同学会学術委員会が非導入・中止についての提言として▽透析治療を導入できない▽患者が拒否する▽透析治療をいったん中止せざるを得ない▽透析治療を実施することが危険と判断される―などの場合への対処案を示し、学会顧問弁護士や井形昭弘・日本尊厳死協会前理事長を交えて討議した。秋澤理事長はさらに、検討する部分もあるとした上で「非導入や中止という言葉についても慎重に選択しようと考えている」と答えた。
また、透析医学会の基本姿勢として「導入や継続を見合わせる際の具体的な手順を含め、社会の理解と了承を得られる提言としてまとめていくことを第一の方針としている」とした。(7/3MEDIFAXより)