【費用対効果】費用範囲などで原則を提案/費用対効果評価で厚労省  PDF

【費用対効果】費用範囲などで原則を提案/費用対効果評価で厚労省

 厚生労働省保険局医療課は12月19日の中医協・費用対効果評価専門部会(部会長=関原健夫・日本対がん協会常務理事)で、費用対効果を評価する際の費用の範囲について、原則として公的医療費のみとすることや、比較対象とする医療技術を原則として最も代替され得る医療技術とすることなどの案を示し、出席委員に議論を求めた。

 参考人の福田敬・国立保健医療科学院上席主任研究官が費用対効果の評価法の説明として、費用の範囲や取り扱い、比較対照の在り方について諸外国での導入状況を交えて解説した。事務局の医療課は福田氏提出の資料を基に論点を整理し、評価を行う費用の範囲については公的医療費を原則とすることを提案した。

 ただ、評価対象の医療技術による効果が介護にも大きな影響を及ぼす場合は、費用に公的介護費用を含めることも併せて提案。「生産性損失」などの公的医療費・公的介護費に含まれない費用については、ばらつきや推計方法による差が大きいとして評価の範囲には含まないとの考えも示した。

 価格未設定の新規医療技術の費用対効果評価では、現行制度で保険収載(薬価収載)を行った場合の仮の価格に基づいて評価する考えも示した。

 診療側委員からは生産性損失について一定程度取り入れてはどうかとの意見や、医療技術の費用の内訳について物品費と技術料とを分けていただきたいといった意見があった。

 一方、比較対照となる医療技術について医療課は、原則として新たに導入される医療技術によって最も代替され得る医療技術とすることなどを提案した。理由として、医療全体への影響が的確に把握できるためと説明した。(12/20MEDIFAXより)

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