【財政審】財政健全化へ社会保障の議論必要/財政審・長期推計で吉川会長
財政制度等審議会・財政制度分科会の起草検討委員は4月28日までに、国の財政に関する長期推計をまとめた。2060年度に政府の債務残高の対国内総生産(GDP)比を100%に抑えるためには、現行制度を前提とした場合、11.94%の恒久的な収支改善が必要という内容。20年度に国・地方の基礎的財政収支(PB)を黒字化させる政府目標の達成を前提条件にした場合でも、8.20%の恒久的な収支改善が必要としている。
記者会見した吉川会長は「財政・経済の議論なので、全く数字なしでは誠意ある議論が進まないというのが私たちの考え方。(長期推計が今後の)建設的な議論の材料になればいいと思う。社会保障の(給付の)議論が、あらためて建設的な形で行われる必要があるのではないか」と語った。
会見では、今後、歳出にキャップをかける手法の導入などを検討するのかどうか質問が出たが、同席した財政審事務局は「具体策はこれからの議論」とした。
この推計は、実質経済成長率2%、名目経済成長率3%、名目長期金利3.7%で推移することを条件に試算した。(4/30MEDIFAXより)