【負担と給付】「窓口負担増は必要」と仙谷氏/鴨下氏は「政治的に持たない」  PDF

【負担と給付】「窓口負担増は必要」と仙谷氏/鴨下氏は「政治的に持たない」

 医療政策で中心的な役割を果たす与野党の重鎮が、10月25日に開かれた医療経済フォーラム・ジャパンの公開シンポジウムで「負担と給付の在り方」について意見を交わした。民主党の仙谷由人副代表は増え続ける社会保障費の対応として、患者にさらなる窓口負担を課すこともやむを得ないとの認識を示した。

 仙谷副代表は「日本は世界一の医療サービスを受けられるにもかかわらず、窓口負担は少ない」「患者負担が高くなれば医療機関に来る人が少なくなるという認識があるが、提供者側も含めてこの考え方を抜本的に変えるべき」と述べ、現状の医療水準を維持するためには窓口負担増が不可欠と訴えた。

 一方で医師の専門性に対する評価の低さも指摘し「診療報酬は上がらない方がよい、という常識が通用しているのは誠に問題だ」とも述べた。

●「ゴールド免許」参考にインセンティブも/自民・鴨下氏
 自民党の鴨下一郎幹事長代理は、医療資源を有効活用する手だてとして受益者負担に踏み込む必要性は認めた一方で、「保険料率を上げたり、窓口負担を増やしたり、フリーアクセスを限りなく制限する方策は政治的に持たない」と述べ、政治的に実現可能で、さらに、効果も生む政策が重要だと説明した。

 その上で、交通違反がなく「ゴールド免許証」を持つ人が民間の自動車保険の保険料で割引を受けられる仕組みを例に挙げ、「公的な社会保険制度で可能なのかどうかは分からないが、(医療機関に)かからないことによってインセンティブを受けられる制度があればよいのではないか」と持論を展開した。

●窓口負担は3割が上限/公明・坂口氏
 公明党の坂口力副代表は「現状が『低負担・中福祉』と言われても、国民から理解は得られないのではないか」「保険制度である以上、国民の負担は3割が上限だ」と述べ、負担増には慎重であるべきとの認識を示した。「保険点数の付け方に工夫が必要」とも述べた。(10/26MEDIFAXより)

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