【諮問会議】14年度予算方針案「診療報酬本体を抑制」/諮問会議
政府は12月5日の経済財政諮問会議に「2014年度予算編成の基本方針(案)」を提示した。次期診療報酬改定での薬価財源切り離しや、診療報酬本体の抑制などを盛り込んだ。基本方針案は6日から与党内で審議したのち、次回の諮問会議で安倍晋三首相に答申する予定。
医療は「歳出改革」の項目で特に取り上げられている。次期診療報酬改定については「自然増を含む医療費の合理化・効率化に最大限取り組み、新たな国民負担につながることは厳に抑制する」と記載した。その上で「薬価と診療報酬本体を一体的に見るのではなく、薬価については市場実勢価格を反映させる」とし、診療報酬本体については「これまで相対的に高い伸びを示してきたことを踏まえ、抑制する」との文言を盛り込んだ。
70−74歳の医療費自己負担については、14年度から段階的に原則通りの2割に戻すこととし、高額療養費制度の所得区分もきめ細かく対応できるよう見直すこととした。
医療提供体制改革では、医療機能の分化・連携を推進するため、次期通常国会に医療法改正法案を提出すると明記。プログラム法案の新たな財政支援制度については「実効性を担保し、さらなる国民会議につながらない効果的な措置を実施する」とした。
健康寿命の延伸に関しては、医療・介護のICT利活用策について予算の重点化を図りながら、府省横断的な評価に取り組む方針を明記。このほかにも▽レセプト・健診情報などのデータを活用したデータヘルスの推進▽特定健診・特定保健指導などを通じた生活習慣病予防などの推進▽糖尿病性腎症の重症化予防事業等の好事例の横展開▽健康・疾病データベースなどの研究・分析基盤の確立に向けた取り組み―を行う方針を示した。
薬価制度改革では、長期収載品や後発医薬品の価格体系と価格水準の妥当性を検証し、全体として実勢価格などを踏まえてマイナス改定にするとした。後発医薬品の普及率を早期に欧米並みに高めるよう取り組むことも明記したが、一方で新薬創造へのイノベーションを喚起する施策についても盛り込んだ。
このほか「成長戦略の実行」の項目では、医療分野における研究開発の司令塔機能創設や、医療の国際展開の推進を含む「健康寿命」の延伸などを記載。規制改革項目では「規制改革実施計画を着実に実施し、引き続き医療や農業をはじめとする幅広い分野における検討を進める」とした。(12/6MEDIFAXより)