【諮問会議】診療報酬「実績データ踏まえ原価設定を」/諮問会議で民間議員
政府の経済財政諮問会議の民間議員は4月22日の会議で、診療報酬・介護報酬の適正化や病床再編に関する資料を提出した。診療報酬・介護報酬については「患者の状態や、それに対応する医療の実態、施設の経営状況や給与動向などを含む実績データを踏まえた適正な原価を算定し、良質かつ効率的な病院・事業者をベンチマークにして報酬に反映すべき」としている。
病床再編については、都道府県の権限強化や規制的手法などにより、早急に供給体制の適正化を進めるべきとし、再編に向けた診療報酬体系の見直しにも言及した。公立病院改革については過去の公立病院改革プランに基づく取り組みを検証した上で、2014年度中に新たな公立病院改革ガイドラインを策定するよう主張している。
このほか、薬価については、市場実勢価格を毎年の予算に反映させることをルール化すべきと主張。薬剤費適正化の当面の課題として後発医薬品利用促進や、調剤医療費の適正化などにも言及した。中長期の課題として、スイッチOTC化の取り組みの推進などもうたっている。
●技術料と薬価は一体/田村厚労相
一方、田村憲久厚生労働相も診療報酬・薬価の適正化に関する資料を提出し、「医薬品、医療機器などの費用対効果評価や、DPCデータなどの活用により医療機関の機能分化や連携の実績に基づく評価をさらに進め、2年に1度の診療報酬・薬価改定を通じて、適切な診療報酬の設定に取り組む」「薬価を包括したDPCの普及に見られるように、診療報酬は技術料と薬価、材料価格と一体で構成されている」と主張した。麻生太郎財務相は「薬価改定の毎年実施は、よく検討する必要がある」と述べた。
●薬価財源の本体充当に慎重姿勢/甘利担当相
甘利明経済再生(一体改革)担当相は会見で「かつては薬価の落差を診療報酬に自動的に反映させる慣行があったが、双方で実情をチェックしてプラスマイナスしてくべき」と述べ、薬価引き下げ分を診療報酬本体に充当することに慎重な姿勢を示した。(4/23MEDIFAXより)