【諮問会議】甘利経再相、社会保障は「最大効率を」/諮問会議が再始動
甘利明経済再生(一体改革)担当相は1月9日、約3年半ぶりに再始動した経済財政諮問会議後に会見し、財政健全化に向けた歳出削減として“痛みを伴う改革”が必要との考えを示した。諮問会議は6月にも新政権としての経済財政運営の基本方針として新しい「骨太方針」をまとめる予定だが、痛みを伴う改革を明示する時期や方向性については言及しなかった。社会保障費については「社会保障制度改革国民会議で負担と給付の最大効率を議論する」と説明した。
小泉政権時、自民党内や政府内の反対を押し切り諮問会議主導で公共事業費削減や社会保障費の抑制を断行して歳出を削減してきた。甘利担当相は会見で、今回の諮問会議でもこのような「痛みを伴う改革」は打ち出すのかとの質問に「もちろん」と回答。実現できるのかとの問いにも「もちろん」と重ねて回答した。その上で社会保障費については「(国民会議で)国民負担を最小にし、最大の効果を図るため支出についても効率的かということも含めて議論することになっている」と述べ、最大効率化が基本方針であるとした。
6月にも取りまとめる予定の「骨太方針」については、「中長期の目標になるため今後の議論」とした上で「短期は柔軟に、中長期はしっかりした健全化が方向性」との考えを示した。
●「従来と次元の違う政策必要」安倍首相
甘利担当相は諮問会議での議論についても説明した。安倍晋三首相からは「10年以上デフレが続いており、相当なことをしないとマインドは変えられない。これまでと次元の違う政策によってインフレ期待を起こして成長を高めていかないと、税収も上がらず財政再建もできない」との発言があったことを紹介。2013年度予算については「早急に編成作業を行い、財政健全化目標を踏まえ、日本経済再生を実現していく」とし、「(諮問会議では)経済再生と、中長期的に持続可能な財政措置の双方を実現する道筋を検討していただきたい」との指示があったことも明らかにした。
次回の諮問会議の日程は未定だが、安倍政権が経済再生に向けた取り組みとして大型補正予算に続く第2弾に位置付ける13年度予算の策定について、基本的な方向性などを議論する予定。(1/10MEDIFAXより)