【諮問会議】国民負担抑制へ社会保障を重点化/13 年度予算の基本方針原案  PDF

【諮問会議】国民負担抑制へ社会保障を重点化/13 年度予算の基本方針原案

 政府は1月22日、「2013年度予算編成の基本方針」の原案を経済財政諮問会議に提示した。社会保障制度については、持続可能な制度を構築するための安定財源確保と、国民負担の増大を極力抑制する観点での重点化に取り組む方針を示した。重点化については「社会保障制度改革国民会議での議論を促進」とした。

●20年度までにプライマリーバランス黒字化
 基本方針原案は▽日本経済再生に向けた取り組みのさらなる推進▽13年度予算編成の基本的な考え方▽予算の重点化についての基本的な考え方−で構成。財政については「15年度までに国と地方のプライマリーバランスの赤字の対GDP比を10年度の水準から半減し、20年度までに黒字化するとの財政健全化目標を実現する必要がある」との方針を盛り込んだ。また、国債に対する信認確保のため「公債発行額をできる限り抑制し、中長期的に持続可能な財政構造を目指す」とした。

●社会保障の重点化「国民会議での議論促進」
 社会保障については「予算の重点化についての基本的な考え方」の中の「歳出分野における主な留意事項」で触れている。「各分野について、予算の大胆な重点化を進める」と前置きした上で、「持続可能な社会保障制度を構築するため、社会保障の安定財源を確保すると同時に、国民負担の増大を極力抑制する観点から、重点化に取り組む」と記載した。重点化については「医療・介護・少子化対策など国民会議における議論を促進する」とし、「生活保護水準の
引き下げと医療扶助の適正化を図る」との方針を示した。

●「 重点化、メリハリ、PDCA踏まえよ」/民間議員ペーパー
 1月22日の諮問会議では、民間議員が4人連名による資料、いわゆる“民間議員ペーパー”を示した。13年度予算編成については▽重点化▽メリハリ▽PDCAサイクル−を踏まえるよう求めた。重点化とメリハリでは「ムダの削減を徹底すべき」と指摘し、「過年度の予算に計上された項目が既得権として安易に引き継がれることなどがないよう、必要性などについて、内容を十分に精査すべき」と求めた。

●自公は党の意見反映を要請
 13年度予算編成の基本方針をめぐっては、自民党の高市早苗政務調査会長と公明党の斉藤鉄夫幹事長代行が1月22日、内閣府で甘利担当相と意見交換した。諮問会議に先立って行われた意見交換会終了後、高市政調会長は「党から出てくる意見を十分に踏まえた上で、最終的な基本方針の決定をしていただきたいと強く要請した」と記者団に語った。斉藤幹事長代行は生活保護の問題など3点を要望したことを明かし、「生活保護の適正化は当然だが、自立の支援を強調すべき」と述べた。(1/23MEDIFAXより)

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