【諮問会議】医療費支出で国家目標設定を提言/諮問会議で麻生財務相  PDF

【諮問会議】医療費支出で国家目標設定を提言/諮問会議で麻生財務相

 麻生太郎財務相は4月22日の経済財政諮問会議で、レセプトデータなどから得られる情報を基に医療費支出の国家目標を定める制度を提言した(P.18)。フランスの医療費支出国家目標制度(ONDAM)をモデルとした案で、都道府県や保険者レベルでも支出目標を設定するという内容だ。

●都道府県や保険者も
 麻生財務相の提言は、医療費支出の少ない都道府県などを標準集団として、年齢や人口構成などを補正した上で合理的な医療需要を算定。実際の医療費との乖離をレセプトデータを用いて明らかにし、妥当な支出目標を設定する。支出目標は都道府県や保険者レベルで設定し、最終的には国が支出目標を設定するという仕組みだ。

 保険者には、支出目標達成のインセンティブとして達成度合いに応じて後期高齢者支援金の加減算を行うことも提案した。必要なデータ分析など具体的な制度設計に向けて、社会保障制度改革推進本部に有識者チームを立ち上げて検討を行うとしている。

 提言を踏まえて、安倍晋三首相は「ICTによる地域横断的な医療・介護情報の活用については、国や都道府県ごとの医療費水準の在り方を含め、社会保障・税一体改革担当相の下で具体化に向けた検討を進めてほしい」と述べた。

●患者・利用者負担なども課題に
 麻生財務相が諮問会議に示した資料では▽患者負担・利用者負担の引き上げ▽公的給付範囲の見直し▽診療報酬・介護報酬の抑制─などの課題も指摘した。患者負担の引き上げに関しては、社会保障・税一体改革をめぐる議論の中でいったん浮上し立ち消えとなった「受診時定額負担」(外来受診時に100円負担など)の検討や、70歳以上の高額療養費制度の外来特例の廃止を挙げた。公的給付範囲の見直しに関しては、保険外併用のうち評価療養の費用対効果を厳しく検証することや、終末期医療の在り方などを挙げた。

 診療報酬に関しては、薬価改定による引き下げや7対1入院基本料算定病床の削減などが課題とした。(4/23MEDIFAXより)

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