【診療関連死】診療関連死で最終報告書/日本医療安全調査機構
日本医療安全調査機構(久史麿代表理事)は1月18日、「診療行為に関連した死亡の調査分析事業のあり方」をまとめた最終報告書を公表した。診療関連死の原因を究明するために設立する「第三者機関」による調査の対象を当面は死亡例に限定している点や、医師法21条の改正案を2パターン示している点などが特徴だ。同機構は2013年度、「推進委員会」(仮称)を発足させ、同報告書で言及した課題や調査体制などの細部について具体的に検討する。
同機構では、医療事故の原因究明と再発防止を目的として診療行為に関連する事故の原因究明を行うモデル事業を実施しており、最終報告書は、同モデル事業での状況などを踏まえ、医療事故を調査する第三者機関の在り方や全国化に向けた事業の組織化・安定化策などを検討してきた。
●医療機関による調査費用負担も検討
最終報告書は、同機構の企画部会が12年にまとめた報告書に、同機構理事会が6項目の追記を加えて取りまとめた。追記では調査費用について、調査を依頼する医療機関が負担することも含めて検討する必要があるとの考えなどを示した。
費用については、同機構企画部会が11年11月、同機構運営委員会(座長=樋口範雄・東京大大学院法学政治学研究科教授)に報告書を提出した際、調査体制として最低でも年間約5億円が必要との試算を示している。第三者機関による調査体制については、東京に設置する中央事務局と全国7ブロックにそれぞれ事務局を設置することを想定している。(1/21MEDIFAXより)