【診療報酬】次期診療報酬改定「マイナスにすべきでない」/田村厚労相
なぜ次期診療報酬改定で、ネットでのプラス改定を目指すと宣言できないのか―。4月19日に開かれた衆院厚生労働委員会で、民主党の山井和則氏が田村憲久厚生労働相に激しく詰め寄る場面があった。当初、田村厚労相は無難に答弁していたものの、山井氏に何度も食い下がられたため、最後は「マイナスにはすべきでないと思う。さらに、高い目標を持って私は戦っていく」と決意を表明した。
山井氏は民主党政権時代に厚生労働政務官を務めた経験を持つ。まず「民主党政権の時と同じようにネットでのプラス改定を目指すのか」と質問。田村厚労相は「物価や賃金、医療経済実態調査の結果などを鑑みながら総額をどうするのか決めた上で、中医協で細かい部分の診療報酬が決まる。医療が後退せず前に進むよう頑張っていく」と応じた。
山井氏は、これに納得せず「不明確な答弁だ。民主党政権の時は財務省とも戦った。すごいバトルを展開してネットプラスを勝ち取った。田村厚労相がネットでのプラスを目指しているのか、いないのか」と明確な回答を求めた。
田村厚労相は「何をもってして『ネットプラス』というのかも考えるが、医療が前に進むために戦っていくということは、どういうことか分かっていただけるでしょう」と理解を求めつつ、さらに、過去2回の診療報酬改定での民主党の取り組みについて「私も評価させてもらっている」と持ち上げた。
しかし、山井氏は一歩も引かず「全国の医療関係者も固唾をのんで、厚労省や国会議員が医療の現場のことを考えてくれているのかと見守っている。こんなに聞かれてもプラス改定と言えない大臣で医療が充実するはずがない」と批判。田村厚労相が「マイナスにならないように頑張ると言ってるんですよ」と、怒気を強めるシーンもあったが、「プラスを目指す」とまでは明言しなかった。(4/22MEDIFAXより)