【計画停電】計画停電実施でも「医療機関は除外」を検討/政府
政府は5月18日、「電力需給に関する検討会合」と「エネルギー・環境会議」を合同開催し、2012年夏の電力需給対策を決めた。医療機関については、仮に計画停電を実施した場合でも除外を検討するなど、電力不足の影響を可能な限り緩和する。在宅で人工呼吸器などの医療機器を使用する患者への対策を徹底するほか、熱中症対策の周知徹底にも取り組む。節電は医療機関の機能に支障が生じない程度で自主的に行う。
●計画停電、原則は不実施
12年夏は計画停電を原則的に不実施とするが、電力需給が逼迫する関西、九州、北海道、四国電力管内では、万一の実施に備えて準備を進めることにした。ただし、仮に実施された場合でも、医療機関は計画停電の対象から外す方向で検討する。「計画停電は変電所単位で行われるため、医療機関だけを計画停電から外すことは不可能」(資源エネルギー庁電力基盤整備課)なため、変電所の運用改善をするなどし、医療機関を含むなるべく小さな地域を計画停電から外せるようにしていく方針だ。
どのような医療機関が除外の対象となるかは、今後の調整になる。エネ庁電力基盤整備課によると、病院の規模や機能などが条件になりそうだ。
●電力使用制限令は発動せず
節電については、原子力発電所が全て稼働しない前提に立ち、7電力管内で数値目標を設けた。電力需給が最も厳しい関西電力管内では、10年夏の最大需要に対し15%の節電を求める。九州が10%、北海道と四国が7%、中部、北陸、中国で5%とした。「電力使用制限令」は発動しないことを決めた。
病院の節電は、機能維持への支障が生じない範囲で自主的に目標を設定するとした。(5/21MEDIFAXより)