【規制改革会議】医療のICT化や再生医療を推進/規制改革会議が首相に答申  PDF

【規制改革会議】医療のICT化や再生医療を推進/規制改革会議が首相に答申

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は6月5日、127項目にわたる規制改革事項を盛り込んだ答申を取りまとめ、岡議長が安倍晋三首相に手渡した。健康・医療分野では、医療のICT化、再生医療、医療機器の規制改革、一般健康食品の機能性表示を可能にする仕組みの整備を盛り込んだ。当初、検討課題に挙がっていた保険外併用療養の拡大については今回は盛り込まなかったが「さらに、議論を掘り下げ、思い切った規制改革に取り組む必要がある」とし、会見した岡議長も「(7月からの)来期には優先項目に入るだろう」との見解を示した。

●保険外併用療養の拡大は来期
 保険外併用療養については再生医療の項目で「革新的な再生医療等製品が早期に患者に提供されるよう、保険外併用療養費制度を積極的に活用する」と言及した。岡議長は、健康・医療ワーキング・グループ(WG)の項目に保険外併用療養の拡大は掲げられたが、時間の制約もあり優先事項にはならなかったと説明。一方で、最先端の医療機器の実用化を推進する中、その医療機器が使用されなければ意味がないと指摘。使用促進に当たって岡議長は「保険外併用療養の拡大、いわゆる混合診療が密接に関係してくる」と述べ、来期の議論で取り上げる意向を示した。

 医療のICT化については、医療サービス全体の効率化が進んでおらず、国民が自身の診療情報を管理できる仕組みが構築されていないとして、本格的に加速化する必要性に言及した。ICT化に向けて▽医療機関の機能分化や連携▽個人や保険者による健康管理▽匿名化された医療データの活用─など、厚生労働省が主体となって5年後・10年後の全体構想と工程表を早急に策定することとした。

 遠隔医療の推進にも言及し、テレビ電話による遠隔診療は従来の電話診療と比較し効果が高いにもかかわらず、特定疾患治療管理料や在宅療養指導管理料を算定できない事例があると指摘。安全性・有効性が認められたものから2014年度診療報酬改定に合わせて検討を行う必要があるとした。

 社会福祉法人の財務諸表については、13年度分以降全ての社会福祉法人が公表すると記載した。健康・医療WGの(座長=翁百合・日本総合研究所理事)は、これは一つの大きなきっかけだとし「社会福祉法人の経営の健全化も含めて取り組んでまいりたい」と述べた。

 政府は、答申内容の実現に向けて「規制改革実施計画」(仮称)を策定し、14日の閣議決定を目指す。(6/6MEDIFAXより)

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