【規制改革】非稼働病床は削減する仕組みを/規制改革会議が意見まとめ  PDF

【規制改革】非稼働病床は削減する仕組みを/規制改革会議が意見まとめ

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は12月20日、下部組織の「健康・医療ワーキング・グループ(WG)」から報告を受け、医療提供体制に関する意見をまとめた。病床規制の見直しとして非稼働病床を削減する仕組みを提言したほか、医療計画の在り方などを指摘している。まとめた意見は厚生労働省に提言する。

 意見は、大きく分けて「最適な地域医療の実現に向けた医療提供体制の構築」と「生活の場での医療・介護環境の充実」についてまとめた。

 「最適な地域医療の実現に向けた医療提供体制の構築」では▽医療計画の在り方の見直し▽医療資源の適正配置▽2次医療圏の範囲等の見直し▽病床規制の見直し▽7対1看護基準の見直し▽地域医療支援センターの見直し▽プライマリーケア体制の確立▽医療提供体制の目指すべき方向性―について提言した。

 病床規制の見直しについては、規制によって医療機関の適正な競争が阻害されている実態があると指摘。医療機関ごとの病床稼働状況を調査した上で、非稼働病床の削減方法を検討すべきとした。民間医療機関に対して、都道府県知事が非稼働病床の削減を命じる仕組みの検討も求めた。また、医療計画の実効性向上のため、地域ごとに必要な医師数・看護師数・必要医療機器数・診療科ごとの必要医師数を推計した上で、医療資源の過不足状況を把握し、公表することが必要だと指摘した。

●診療所の外来要件、緩和を
 「生活の場での医療・介護環境の充実」では▽在宅医療専門の診療所▽特別養護老人ホームにおける医療環境の改善▽医薬品・衛生材料の提供―についてまとめた。診療所の外来機能要件の緩和に向けた検討が必要だとし、保険医療機関に求められる「外来応需の体制」が、在宅医療を専門で行う意向がある診療所の制約になっていると指摘。在宅医療を主に行う診療所の開設要件を明確にし、診療所の外来機能要件の緩和を検討すべきとした。

●社福経営で論点整理
 社会福祉法人の経営管理の強化やイコールフッティング確立に向けた論点も取りまとめた。社福の経営については透明性を高める観点から▽財務諸表の情報開示▽補助金等の情報開示▽内部留保の明確化▽調達の公正性・妥当性の確保▽経営管理体制の強化▽所轄庁による指導・監督の強化―を論点に挙げた。補助金については、社福が国や地方自治体から受けた補助金の状況を厚労省が一元的に把握し、国民に分かりやすく開示することを提案。また、社福の巨額な内部留保が問題になっているとし、厚労省がその位置付けを明確にした上で、社会貢献に活用するよう促すべきとした。

 社副については、論点に沿って議論を継続し、2014年6月までにさらに具体的な提案を行う予定。(12/24MEDIFAXより)

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