【規制改革】病床規制やゲートキーパーなど論点/規制改革健康・医療WG
政府の規制改革会議「健康・医療ワーキング・グループ」(WG、座長=翁百合・日本総合研究所理事)は11月8日、「最適な地域医療の実現に向けた医療提供体制の構築」について論点をまとめた。WGでまとめた論点は、親会議である規制改革会議が取りまとめを行う際に盛り込まれる。論点は大きく分けて▽医療計画の在り方の見直し▽病床規制等の従前の規制の抜本的見直し▽プライマリーケアの専門医(ゲートキーパー機能)を中心としたネットワークの確立―の3項目。
医療計画に関しては、医療提供体制のコントロール方法として主に病床規制のみを用いており、時代と乖離した医療計画になっていると指摘。医療・介護の切れ目ないネットワークをつくるためには、ICTの全面的活用や保険者機能の活用が必要だとした。また医療計画、介護保険事業支援計画、医療費適正化計画、地域医療再生計画など、さまざまな計画を一元化することを提案した。一元化について厚生労働省からは、4つの計画を一元化することはそもそも難しいとの回答があったという。
病床規制については、病床が既得権化し病院の適正な競争を阻害していると記載。設立主体別の病床稼働状況を調査した上で、非稼働病床の削減方策を検討すべきだとし、保険者の意向を踏まえた上で都道府県知事が民間医療機関に削減を命じられるようにする見直しを盛り込んだ。このほか、地域医療の中でのゲートキーパー機能を確立するべきと指摘した。
「在宅医療・在宅介護の推進」も議題として取り上げ、在宅医療を中心に運営する医療法人社団プラタナスと厚労省医政局からヒアリングした。外来応需の体制を有していることが保険医療機関に求められていることについて、在宅医療専門で運営できるよう求める声があった。厚労省は中医協での議論を報告したという。(11/11MEDIFAXより)