【規制改革】株式会社の医療経営参入も視野に議論/規制 改革WG
政府の規制改革会議が設置する健康・医療ワーキング・グループ(WG)は9月5日、今後の議論に向けて4つの視点と、それぞれの視点ごとにまとめた計10項目の論点を決めた。WGの検討項目となる論点のうち「医療機関の業務・ガバナンス等の見直し」では、株式会社の医療経営参入や収益業務など医療法人に認める業務範囲を見直すことを視野に入れ、議論を深めていくという。
厚生労働省が医療法改正案を2014年の通常国会に提出する予定であることも踏まえ、論点の中で医療法改正に関連する項目と、その他に優先項目と位置付ける項目については年内にWGの意見を取りまとめる考え。残りの論点についても早期の意見集約を目指す。論点は12日に予定されている同会議に報告する。
優先項目とした論点のうち、「保険診療と保険外診療の併用療養制度」「介護、保育事業における経営主体間のイコールフッティング確立」は最優先案件と位置付けており、同会議で検討する。「イコールフッティング」とは対等に競争できるように条件を同一にすることを指す。
10項目の論点以外にもWG委員から、医療提供体制の在り方や2次医療圏ごとの病床規制などについて議論するよう追加の要望があり、今後、論点にするかどうか検討する。
2013年6月に取りまとめた答申で示した規制改革の取り組みのフォローアップも行う。健康・医療分野では、▽全ての社会福祉法人の経営情報の公開▽再生医療の推進▽医療機器に係る規制改革の推進▽一般用医薬品のインターネット販売―などについて重点的にフォローアップする。
4つの視点と10項目の論点は以下の通り。(◎は優先項目)
▽患者の利益にかなう最先端の医薬品・医療機器の早期提供(◎保険診療と保険外診療の併用療養制度、◎医薬品に係る治験前臨床試験の有効活用)▽安定的かつ持続可能な医療・介護・保育サービスの提供体制の再構築(◎介護・保育事業における経営主体間のイコールフッティング確立、医療機関の業務・ガバナンス等の見直し、看護師等の業務範囲や業務実施体制の見直し)▽ICTの推進等による効果的・効率的な医療・介護・保育サービスの在り方の見直し(◎レセプト帳票の見直しなど分析可能なデータの整備、◎保険者による直接審査の推進、◎支払基金と国保連の役割分担の見直し)▽国民のニーズの多様化に応える医療・介護・保育サービスの提供等(セルフケア領域に適する医療用検査薬等の見直し、在宅医療・在宅介護における開設要件等の見直し)(9/6MEDIFAXより)