【規制改革】最優先案件に「保険外併用療養」/規制改革会議が議論再開  PDF

【規制改革】最優先案件に「保険外併用療養」/規制改革 会議が議論再開

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は7月26日に会合を開き、政権交代後2期目の議論を開始した。今後の議論の進め方などを確認。議長提案として、当面の最優先案件の候補に「保険診療と保険外診療の併用療養制度」や「介護・保育事業等における経営主体間のイコールフィッティング確立」などを上げた。最優先案件は8月の次回会合で正式決定する。

 保険外併用療養制度については、▽国内で開発された先進的な医薬品・医療機器を用いた医療技術▽海外で使用されているものの国内では未承認の医薬品・医療機器を用いた医療技術―などと保険診療の併用を容易にするため、利用者の立場から規制改革を検討する。開発から実用化までの期間短縮や保険外併用療養費制度の範囲拡大が狙い。政府の成長戦略で医療分野を重視しているため、規制改革会議も優先的に検討する必要があると判断した。

 介護・保育事業では、経営主体が株式会社か社会福祉法人かによって補助金などの扱いが異なるとして見直しを求める声が上がっている。規制改革会議は、株式会社やNPOなどが参画しやすくなるよう条件面を同等に整えたい考え。

 規制改革会議は2013年7月から14年6月まで、毎月1−2回のペースで会合を開く。答申は14年6月をめどにまとめる。必要に応じて中間取りまとめも検討するほか、状況に合わせて「意見」の公表なども行う。

 会合では、5つのワーキンググループ(WG)の設置と、各WGの座長と座長代理も決めた。WGは「健康・医療」「雇用」「創業・IT等」「農業」「貿易・投資等」の領域ごとに議論を進める。構成員は8月の次回会合で決める。その後、各WGは具体的な検討事項について協議し、9月の次々回会合で正式決定する。

●省令の実態分析と見直しも
 規制改革会議はこのほか、省令など下位規範の実態分析と見直しにも取り組む。各種規制のうち4分の1程度は省令以下の規定によるもので、法律に基づくものではないにもかかわらず国民の権利を制限しているものがあることを問題視。あらためて許認可の内容を洗い出し、省令以下の規範を見直すかどうか検討する。

 また、6月5日に提出した政権交代後1期目の答申内容についても、重要12項目について重点的にフォローアップする。この中には「すべての社会福祉法人の経営情報の公開」「再生医療の推進」「医療機器に係る規制改革の推進」「一般用医薬品のインターネット販売」などが含まれている。(7/29MEDIFAXより)

ページの先頭へ