【規制改革】医師の治療選択で裁量権尊重を/規制改革、保険外併用で方向性  PDF

【規制改革】医師の治療選択で裁量権尊重を/規制改革、保険外併用で方向性

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は12月20日、最優先案件の一つとして掲げる「保険診療と保険外診療の併用療養制度」に関する改革の方向性を取りまとめた。患者にとって良い制度にするためには抜本的な改革が必要との前提の下、医師が最適な治療を選択する裁量権を持てるようにすべきと提案。方向性に沿って議論を継続し、遅くとも2014年6月までには最終的な取りまとめを行う。

 同会議は現行制度の問題点として、患者の自己選択権が阻害されることや、保険外診療を含む場合に医師が最適な治療を選択できないと指摘。現行の評価療養制度は将来の保険収載を前提に併用が認められているため、商業上の理由で保険収載の見込みがなくなった場合に患者負担が増加する可能性も問題点に挙げた。

●皆保険維持し財政との整合性を
 その上で方向性として▽患者が自らの治療に対して納得した上で治療内容を選択できるようにすべき▽医師が専門家として最適な治療を選択する裁量権を持てるようにすべき▽治療法に関する患者の正しい知識が必要▽新たな仕組みでは、国民皆保険の維持を崩すことなく、保険財政の長期的適正化と整合性を持つ改革にするべき―の4点を提案した。

 終了後に会見した岡議長は「基本的な考え方は、保険診療を受けたら保険給付されるという国民の権利が最大限尊重されるような状態にすべきということ」と説明し、今後もこのスタンスで審議を続けるとした。

●厚労省との議論、不十分
 当初、保険外併用療養については年内で取りまとめまで終了する予定だったが、今回は方向性を示すにとどまった。理由について岡議長は「議論が十分でないことが原因」と説明。所管省の厚生労働省をはじめとした関係者との意見交換が不十分なため、取りまとめに至らなかったとした。(12/24MEDIFAXより)

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