【規制改革】健康・医療WGの検討対象9項目を決定/規制改革会議
政府の規制改革会議は9月12日、同会議の健康・医療ワーキング・グループ(WG)で検討対象にする9項目を決めた。株式会社の医療経営参入解禁も視野に入れた「医療機関の業務・ガバナンス等の見直し」などが盛り込まれており、9項目のうち6項目は年内の意見集約を目指す。残りは2014年6月を区切りとする第2期中に意見を取りまとめる計画。
同会議は13年6月に答申を取りまとめた後、7月から14年6月までを政権交代後の「2期目」と位置付け、議論を始めている。
健康・医療WGで検討する9項目のうち、年内に意見集約を目指すのは▽最適な地域医療の実現に向けた医療提供体制の構築▽医療機関の業務・ガバナンス等の見直し▽在宅医療・在宅介護の推進▽レセプト帳票の見直しなど分析可能なデータの整備▽保険者による直接審査の推進▽支払基金と国保連の役割分担の見直し―の6項目。
残りの3項目▽医療関連従事者の役割分担の見直しや必要な人材の確保▽医薬品・医療機器に係る治験前臨床試験の有効活用▽セルフケア領域に適する医療用検査薬等の見直し―については、14年6月までに意見をまとめる。
9月5日、健康・医療WGは検討対象として10項目をリストアップしたが、厚生労働省が医療法改正案を14年の通常国会に提出する予定であることを踏まえ、今回新たに「最適な地域医療の実現に向けた医療提供体制の構築」を加えた。
それを合わせた11項目のうち、最優先項目と位置付ける「保険診療と保険外診療の併用療養制度」「介護、保育事業における経営主体間のイコールフッティング確立」は主に本会議で扱うため、健康・医療WGの検討対象から外れて9項目になった。
また、一部の項目では、意見集約の目標時期を9月5日の段階から変更した。医療法改正と関連する「医療機関の業務・ガバナンス等の見直し」「在宅医療・在宅介護の推進」は、年内の意見集約を目指す。一方、「医薬品・医療機器に係る治験前臨床試験の有効活用」は緊急性を考慮して、年内の意見集約対象から外した。
同会議の岡素之議長(住友商事相談役)は9月12日の会見で、さらなる規制改革の実現に向け、委員と精力的に検討を進める考えを示した。
●省庁に新たな検討要請も
一方、同会議は国民からの提案を受け付ける「規制改革ホットライン」に届いた声を基に、各所管省庁に対する新たな検討要請を行った。健康・医療WG関連では▽訪問看護ステーションの看護職員配置基準の緩和▽短期入所生活介護事業者の指定に係る基準の緩和▽軽費老人ホームA型・B型の入所定員等の緩和▽離島地域への事業者参入を促進するための介護報酬算定基準の緩和―などが含まれている。(9/13MEDIFAXより)