【規制改革】保険外診療と保険診療を併用しやすく/規制改革の最優先案件に  PDF

【規制改革】保険外診療と保険診療を併用しやすく/規制 改革の最優先案件に

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は、国内未承認の医薬品・医療機器を用いる医療技術と保険診療を併用しやすくする規制改革など、「保険診療と保険外診療の併用療養制度」を最優先案件として議論する。年内にも意見を取りまとめる。8月22日の会合で決めた。

 岡議長は会合後に会見し、保険診療と保険外診療の併用について「日本再興戦略でも一部取り上げられたが、再生医療分野を中心とした取り上げ方をされたと理解している」との見方を示した上で、「今回、取り上げようという併用制度は対象を限定することなく、幅広く取り上げようと考えている」と述べた。

 岡議長は会見で、厚生労働省が「先進医療」として認めている現行の保険外併用療養制度の審査迅速化を図る「最先端医療迅速評価制度(先進医療ハイウェイ構想)」(仮称)などを打ち出していることへの評価を求められたが、「評価のしようがない」と明言を避けた。その上で「少なくとも現在の(保険外併用療養制度の運営)評価としては不十分」とした。

 規制改革会議の最優先案件は▽保険診療と保険外診療の併用療養制度▽介護・保育事業等における経営主体間のイコールフッティング確立▽農地関連規制の見直し―の3項目。岡議長は意見の取りまとめ時期について、農地関連は秋の臨時国会に関連法案が提出される予定のため9月中をめどとし、他の2項目は年内をめどにまとめると説明。保険診療と保険外診療の併用療養制度の検討については、「国内で開発された先進的な医薬品・医療機器を用いた医療技術、および海外で使用され国内では未承認の医薬品・医療機器を用いた医療技術等を保険診療と併用しやすくする規制改革を利用者の立場で検討する」との方針を示した。医療・健康分野を議論する際の重要な視点として▽最新の医療をできるだけ早く国民に届ける▽関連技術開発などへの国内企業の意欲を高める▽保険財政―の3点が必要との考えも示し、「3つの視点でバランスを見ながらやっていくことが必要」と述べた。

 会合では、主要検討課題について掘り下げて議論するためのワーキンググループ(WG)を分野ごとに設置することも決めた。健康・医療WGは翁百合委員(日本総合研究所理事)が座長を務める。同会議の委員以外からも、専門委員として土屋了介氏(がん研究会理事)、松山幸弘氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・経済学博士)、竹川節男氏(医療法人社団健育会理事長)の3人が参加する。WGで検討する項目は9月12日の次回規制改革会議で決める予定だ。(8/23MEDIFAXより)

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