【規制改革】保険外併用療養の大幅拡大も/競争力会議分科会の中間整理
産業競争力会議の医療・介護等分科会が12月25日にまとめた中間整理には、保険外併用療養費制度の対象の大幅な拡大も目玉として盛り込んだ。会見で、同分科会の増田寛也主査(東京大公共政策大学院客員教授)は「今までの厚生労働省のスタンスから考えると、大幅な拡大を図っていると評価している。規制改革会議とも、よく連携しながら混合診療(保険外併用療養費制度)の拡大を見ていきたい」と語った。
中間整理の取り組みは▽効率的で質の高いサービス提供体制の確立▽公的保険外のサービス産業の活性化▽保険給付対象範囲の整理・検討▽医療・介護のICT化▽その他―の5つに分類される。
保険外併用療養費制度の拡大は、保険給付対象範囲の整理・検討の中に盛り込まれており▽先進的な医療へのアクセス向上(評価療養)▽療養時のアメニティーの向上(選定療養)▽有効性はあるが保険適用が見込めない医療技術などの保険外併用療養費制度上の取り扱いの検討▽「日本版コンパッショネートユース(CU)」制度の導入―の4項目を柱とする。CU制度は、治験の参加基準に満たないものの、重篤な疾患を抱えて治療を求める患者に治験薬を提供する仕組みで、すでに海外で導入されている事例もある。中間整理には「(日本では)2015年度から運用を始める」と記載した。
13年6月に閣議決定された日本再興戦略(成長戦略)には、先進医療の評価の迅速化・効率化を図るための「先進医療ハイウェイ構想」が盛り込まれ、抗がん剤を対象にした運用が13年秋から始まっている。今回の中間整理には、これに続く形で、再生医療や医療機器の審査に特化した専門評価組織を14年度中に立ち上げ、運用を始めることを盛り込んだ。
同時に、国家戦略特区内の国際医療拠点で、医療水準の高い国で承認されている医薬品などを保険外併用できるかどうか評価する仕組みを構築することとした。
患者のニーズに合ったアメニティーの向上を図るため、選定療養について対象の拡充を含めた見直しを行う仕組みを構築することも求めている。
一方、公的保険外のサービス産業の活性化策の一つとして、医療機関が行う公的保険外サービスの促進も盛り込んだ。医療保険の給付と直接関係のないサービスについて、選定療養との関係を整理し、明確化していく仕組みづくりを進めたい考え。
医療・介護のICT化では▽地域医療連携ネットワークの普及促進▽医療情報システムの標準化や電子カルテに記載されるデータ構造の標準化―などを進めるべきとした。(12/26MEDIFAXより)