【補正予算】再生基金500億円積み増し/自民厚労部会、補正要望事項を了承
自民党厚生労働部会(福岡資麿部会長)は1月7日、2012年度補正予算案のうち厚生労働省が要望した5128億円の緊急経済対策を了承した。ただ、70−74歳の医療費自己負担を1割にとどめる特例措置への対応次第で額は変動する。部会はこの自己負担問題について議論を進めたが方向性はまとまらず、賛否の両論があったことを田村憲久厚生労働相に伝えて政府に判断を委ねることでまとまった。
●耐震化に406億円
厚労省は地域医療再生基金の積み増しとして500億円を計上。▽震災に備えた医療提供体制の整備▽地域医療機関への勤務を条件にした修学資金の貸与▽大学医学部に設置する寄付講座に対する支援をはじめとした医師不足対策▽介護連携の在宅医療整備─などに充てる。また、復興・防災対策として2次救急医療機関の耐震化を推進するため、医療施設耐震化臨時特例基金を406億円積み増す。災害派遣医療チーム(DMAT)の活動支援では広域災害・救急医療情報システム(EMIS)の機能充実に8900万円を確保した。
国が備蓄するプレパンデミックワクチンの有効期限分を買い替える措置に63億円を盛り込んだほか、救急・周産期医療を担う医療機関の医療機器等整備費に30億円を計上した。
このほか、補正予算案には12年度の基礎年金の国庫負担分を賄う約2兆5000億円も含まれる。
●70−74歳の自己負担、方向性出せず
部会は、70−74歳の医療費自己負担に関する特例措置で明確な方向性を打ち出すことはできなかった。
出席議員の一人は「このまま1割負担を維持しているようでは、民主党と同じではないか」と訴え、70歳になる人から2割負担にする案を採用して本来の水準に戻すよう提言。一方、13年夏の参院選を前に引き上げを実施すれば有権者の反発を招くと警戒する意見や「時間をかけて党内の意見を集約していくべき」との慎重派の声もあった。
福岡部会長は部会後、「両論出たことを厚労大臣に伝える。今後は、一義的には役所の方で財務当局と折衝してもらう」と述べた。(1/8MEDIFAXより)