【被ばく】被ばく1ミリシーベルト以下目指す/福島復興基本方針決定  PDF

【被ばく】被ばく1ミリシーベルト以下目指す/福島復興基本方針決定

 政府は7月13日、東京電力福島第1原発事故を受けた福島復興再生基本方針を閣議決定した。住民が安心して暮らせるよう放射性物質の除染を急ぎ、長期的には自然放射線を除いた追加被ばく線量を年1ミリシーベルト以下に抑えると強調している。一方、福島県側が「復興の基盤」として強く求めた企業立地補助金の積み増しは明記せず、実効性のある事業をどれだけ具体化できるかが今後の焦点となる。

 平野達男復興相は7月13日の閣議後の記者会見で「県や関係市町村と丁寧に意見交換をして決定した」と強調した。基本方針には、地域経済や社会の再生に国が責任を持つ姿勢をアピールする狙いがある。県が18歳以下の医療費無料化のために設立した「県民健康管理基金」への財政支援をはじめ、国が長期にわたって十分な財源を確保するとした。

 帰還する住民に対しては、道路、上下水道、農業用水施設、学校などの公共インフラの整備を国の費用負担で実施するとした。役場機能ごと避難した自治体が検討している「仮の町」構想では、国が受け入れ側の自治体との調整役となることも盛り込んでいる。

 また、「原子力に依存しない社会を目指す」とした福島県の理念を尊重し、地熱発電など再生可能エネルギー産業の構築を掲げた。

 国は基本方針に従い、避難指示を出している市町村での公共工事代行や除染事業の工程表を盛り込んだ「避難解除等区域復興再生計画」を策定する。福島県も基本方針を踏まえ、「産業復興再生計画」と、新産業の創出の目標を定める「重点推進計画」を作成する。

 ただ、基本方針に盛り込んだ個別の事業に対する国の支出額は示していないため、政府は2012年度補正予算や13年度予算の編成であらためて具体化する必要がある。(7/17MEDIFAXより)

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