【薬事法】ノバルティスを薬事法違反で刑事告発/厚労省  PDF

【薬事法】ノバルティスを薬事法違反で刑事告発/厚労省

 厚生労働省は1月9日、ノバルティス ファーマのARB「ディオバン」(一般名=バルサルタン)をめぐる臨床試験のデータ改ざん疑惑で、東京慈恵会医科大と京都府立医科大で実施された臨床研究の結果を用いた広告が虚偽・誇大だった疑いがあるとして、薬事法違反容疑でノ社と同社社員を東京地検に刑事告発した。虚偽・誇大広告を禁止した薬事法第66条第1項のみで、厚労省が刑事告発するのは初めて。

 ディオバン問題をめぐっては、慈恵医大の「JIKEIHeart Study」と、京都府立医大の「KYOTO HeartStudy」の関連論文でデータ操作があったことが確認されている。厚労省が設置した「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」(ディオバン検討委)は2013年秋に中間取りまとめを出したが、任意調査には限界もあり、誰が何のために操作を行ったのか真相解明には至っていない。

 厚労省はノ社に資料提出を求めたり、ノ社や大学の関係者らに事情聴取したりして事実関係の確認を行ってきたが、ノ社において同法第66条第1項に「違反する行為があった疑いが深まった」と判断し、今後の真相究明を捜査当局に委ねることになった。

 告発するのは、JIKEI試験とKYOTO試験の結果を記載した資材を用いて効能・効果の広告を行った行為で、第66条第1項の公訴時効が3年のため11年−12年の広告を対象とした。被告発会社はノバルティス ファーマで、被告発者については虚偽・誇大広告に関与した個人が特定できなかったため「氏名不詳者」のまま告発に踏み切った。(1/10MEDIFAXより)

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