【自民】医療・介護・年金の3PT体制で改革推進/自民・特命委役員会
自民党「社会保障制度に関する特命委員会」(野田毅委員長)は3月5日の役員会で、医療・介護・年金の3つのプロジェクトチーム(PT)で今後の制度改正論議を進めていくことを決めた。会合は非公開だが、出席者の話を総合すると、短期的には2015年の通常国会に提出する法案の具体的な内容について検討する。25年以降を見据えた長期的な制度設計の必要性を指摘する意見もあった。まずは社会保障制度の長期推計を試算することから始めることになりそうだ。
医療PTの座長は鴨下一郎氏が務める。同PTは13年、診療報酬改定論議のさなかに設置されており、引き続き医療制度改革の議論を進めていく。15年の通常国会に向けた最大の検討課題は、国保の財政基盤の充実だ。後期高齢者支援金の全面総報酬割もテーマになる。13年の社会保障制度改革国民会議は、総報酬割の全面導入で生じる財源を国保の財政補填に転用する方策を打ち出している。協会けんぽの国庫補助率も議題に乗りそうだ。
介護PTは松本純氏が座長を務める。15年4月の介護報酬改定や介護の制度改正論議に取り組む。厚生労働省は会合で「介護報酬改定に向けた審議会の議論は4月からスタートするが、まず介護保険法改正案を成立させ、その議論の過程で浮上した課題を整理しつつ、自民党に相談したい」と説明したもようだ。
年金PTの座長は宮澤洋一氏が務める。年金の財政検証が重要課題だ。
●「ポスト2025」問題も、まずは推計の整備
税・社会保障一体改革は、団塊の世代が75歳以上に達する25年を想定して制度の見直しを行っている。だが、25年はその後も続く超超高齢化社会の入り口に過ぎない。その「ポスト2025」問題を宮澤氏が指摘した。宮澤氏は「推計さえ整備されていないのが問題だ。まずはここから手を付けるべき」と主張したようだ。会合後、出席者の一人は「消費税率を10%に引き上げた後のことを視野に入れ、党主導であらかじめ長期的な議論をし、制度設計していこうということだと思う」と語った。
●“混合診療”は取り扱わず
役員会では出席者から、保険外併用療養費制度や混合診療の問題を議論する必要はないか、との問題提起があった。だが、役員会の内部でも議論が沸騰してしまい、収拾がつかなくなってしまったもようで、医療PTの議題は国保の財政基盤充実などの重要課題に絞り込むことにした。(3/6MEDIFAXより)