【総合診療専門医】総合診療専門医の研修プログラム、3月に骨格/吉村委員長  PDF

【総合診療専門医】総合診療専門医の研修プログラム、3月に骨格/吉村委員長

 新専門医制度の創設に向け、日本専門医機構(仮称)の立ち上げ準備を進めている組織委員会が設置した「総合診療専門医に関する委員会」は、3月に総合診療専門医を育成する研修プログラムの骨格を発表する。組織委員会の吉村博邦委員長(北里大名誉教授)が2月20日、顧問を務める全国医学部長病院長会議の記者会見で明かした。同機構は、新専門医制度の第三者機関として研修プログラムの評価・認定などの機能を担う予定だ。

 総合診療専門医の医師像については「地域を支える診療所や中小の病院で活躍する医師で、頻度の高い疾患の初期対応を担当する。必要があれば専門医に紹介し、紹介が不要であれば継続医療を担う。加えて、高齢者対応として介護も含めた複数疾患への対応と看取りを担う」との内容で組織委員会で合意したと説明した。

●連合学会の家庭医研修をベースに検討
 研修プログラムの検討状況については、委員長私案をたたき台に議論しているとし「日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医の研修プログラムをベースに、関連学会の英知を集めて作る」との方向性を示した。その上で「基本となる内科、小児科、救急の3科は、各領域の専門医制度と一緒にきちんとトレーニングする。その後は診療所や中小病院で研修し、ある程度大きな病院で臓器に特化しない総合内科などで経験も積んでもらう。さらに、外科や産婦人科、整形外科、精神科などの関連領域は、各専門医制度との連携はしないものの、併せて学んでもらい、試験をする」と説明した。

●2017年度から養成スタートしたい
 研修プログラムの骨格を発表した後のスケジュールについては、17年度に第1期生の研修開始を目指すとの方針も示した。吉村委員長は、14年夏をめどに総合診療専門医の研修を実施する際の組織や、研修責任者、指導医の基準などをまとめるとした上で「15年4月に初期研修が始まる研修医が2年終わって(総合診療医の育成プログラムに)入れるようにしたい」と述べた。

 吉村委員長は会見で、総合診療専門医の取得方法や総合診療専門医取得後に他の専門医資格を取得するためのキャリアパスなどを多様化させたいとの考えも示した。「他の専門医を取った後に地域で活躍したいという人たちのためのプログラムや、総合診療専門医取得後に消化器や循環器など他の専門医に行けるようなキャリアパスを検討する」と述べた。(2/21MEDIFAXより)

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