【総合診療医】「総合診療専門医」が危機救う/地域医療振興協会・久会長
日本医学会長などを務める地域医療振興協会の久史麿会長は10月13日、同協会が東京都内で開いたフォーラムで講演し、新たな専門医制度で養成することになる「総合診療専門医」を増やすことが医師不足などで危機的状況にある中小病院を救うとの考えを示した。一方で「幅広い診療能力を持った上での(専門性を持った)スペシャリストでなければ中小病院ではあまり役に立たない」とも述べ、総合診療専門医を取得した上で臓器別などのサブスペシャリティを取得する医師が増えることが重要と強調した。
久会長は、中小病院が直面する危機の要因はプライマリーケア医不足にあると指摘。中小病院の医師には幅広い診療能力を持った上で専門性も備えたスペシャリストであることが求められているとし、「病院の経営的にもそういう人でなければ雇っていくことはできない」と述べた。新たな専門医制度の発足を見据え、総合診療医の専門性が認められて人材が増えることを期待する一方、総合診療専門医を取得した上でサブスペシャリティを取得する医師が増えることも重要とし、「そういう人材が日本の中小病院では最も求められるのではないか」と述べるなど、医療界を挙げて養成していく必要性をあらためて強調した。(10/16MEDIFAXより)