【総合合算】総合合算制度の議論開始/社保審  PDF

【総合合算】総合合算制度の議論開始/社保審

 厚生労働省の社会保障審議会(会長=大森彌・東京大名誉教授)は4月25日、社会保障・税一体改革の中で低所得者の負担軽減策として導入する「総合合算制度」について議論を開始した。小宮山洋子厚生労働相は冒頭の挨拶で「今後、社保審を中心に総合合算制度の検討を進めていく」との方針を示した。

 総合合算制度は、医療保険や介護保険、自立支援法、子育て新システムといった個々の社会保障制度の枠組みを超えて世帯ごとに自己負担金を集計し、一定の上限を設けることで過度な負担を発生させないようにする考え方。一体改革を通じて所得が低い人ほど負担割合が高まる「逆進性」の問題が浮上するため、その対策の一環で同制度の創設を検討する。実施時期は2015年以降とされており、制度実施の前提条件として「社会保障・税に関わる番号制度」などの情報連携基盤を整備する必要がある。そのため厚労省は、15年度以降に関連予算で4000億円を計上する方針だ。

 厚労省が想定している総合合算制度は、例えば医療保険、介護保険、自立支援法、子育て新システムなどに伴う自己負担について、各制度に共通した年率ベースの「上限負担率」を設けるというもの。ただ、実際は各制度ごとに自己負担率の考え方が異なっているほか、自己負担率の区分設定もまちまち。さらに、各制度が独自の低所得者対策をすでに実施している。そのため、総合合算制度導入の際は負担の在り方などについて統一的な共通見解を取りまとめるところから始めなければならない。(4/26MEDIFAXより)

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