【経済諮問会議】経済再生で財政健全化につなげる/骨太素案「皆保険は堅持」  PDF

【経済諮問会議】経済再生で財政健全化につなげる/骨太素案「皆保険は堅持」

 政府の経済財政諮問会議は6月6日、予算編成の基本方針となる「骨太方針」の素案をまとめた。アベノミクスの「3本の矢」(金融政策・財政政策・成長戦略)で経済を再生し、財政健全化につなげるという内容。国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の目標も盛り込んだ。「2015年度までに10年度比で赤字の対GDP比を半減し、20年度までに黒字化、その後も債務残高の対GDP比の安定的な引き下げを目指す」と記載した。政府は7日以降、与党と調整する。来週の諮問会議で正式に決定・答申した後、閣議決定する予定。

●「中福祉・中負担」を目指す
 社会保障分野については、第3章「経済再生と財政健全化の両立」の中で重点的に触れている。財政健全化の観点から「社会保障以外の支出について、一層の重点化・効率化を進める。また、社会保障支出についても聖域とはせず、見直しに取り組む」と記載した。社会保障の規模は「中福祉・中負担」を目指す。国民皆保険制度を将来にわたって堅持する方針も明示。健康長寿化やICT化、後発医薬品の使用促進などに取り組む。健康増進を図りつつ、効率的な社会保障サービス提供体制を構築する方針だ。

 医療提供体制の改革については、地域ニーズに合致しているかを検証した上で、医療提供体制の効率化や、平均在院日数の縮減、地域包括ケアシステムの構築などに取り組む。ICTを活用しながらエビデンスに基づき医療計画を策定するほか、医療法人間の合併や権利移転などの制度改正も検討する。高齢者医療の自己負担の見直しについても検討し、早期に結論を得る。国保の都道府県単位化などについても検討を進める。具体的な政策については社会保障制度改革国民会議で議論を深めていく。

 医療・介護のICT化をめぐっては、健康管理やサービスの質向上・効率化に向け、5年間をめどにICT化の工程表を策定し、データ活用の先進国に育成する。保険者が外来受診の適正化などを図るためにもICTを活用できる仕組みを早急に整える。

●「社会保障も聖域ではない」
 諮問会議後の会見では、一般紙記者から「具体的な項目が少ない」などと厳しい指摘が相次いだ。これに対して甘利明経済再生(一体改革)担当相は「社会保障も聖域ではないと書いた。それ以外もしっかりやる。ほぼ全ての分野を網羅した書き方だ」と述べ、14年度予算編成過程で具体的な効率化策が絞り込まれていくとの考えを示した。(6/7MEDIFAXより)

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